図形を駆使して独自のデザインを展開するペインター「LITTLE YORKE」。
カルチャー
2020.06.26
絵を描くのが嫌いだった。ペインターとして歩みはじめたキッカケとは。
丸、三角、四角、ドット、ラインを駆使して独自のデザインを展開している女性ペインター「LITTLE YORKE(リトルヨーク)」。オリジナリティー溢れる作品をつくり出す彼女の原点を探りつつ、絵を描くことが嫌いだった幼少期からペインターとなったキッカケまで、いろんなお話を聞いてきました。

LITTLE YORKE
1977年新潟市生まれ。2014年から「LITTLE YORKE」として活動スタート。スケボーアートを中心とした「MATERIAL」などの個展を開催。イタリアの音楽レーベル「OPILEC MUSIC」へのデザイン提供、MINIの新車イベントでのライブペイントなども行う。
刑務所とは知らずに、その建物ばかり描いていた少女時代。
――今日はよろしくお願いします。ペインターとして活動されているということは、やっぱり昔から絵を描くことが好きだったんですか?
LITTLE YORKEさん:はい。と言いたいところだけど、実は絵を描くのは嫌いだったんです。だから、学校の屋上から山や田んぼを写生する授業なんてもってのほか。でも建築物は好きだったから、ある特定の建物はよく描いていましたね。
――嫌いだったんですか(笑)。ある建物というのは?
LITTLE YORKEさん:大人になってから知ったんですけど…、刑務所だったんです(笑)。武骨な見た目がカッコよくて描いていたんですよね…。今思い返すと、先生の反応が可笑しくて。「これは何を描いているの?」「あの建物です」といった会話の後に苦笑いしていましたね(笑)

――刑務所の説明を子どもにするのも、難しいですもんね(笑)。でも絵を描くことが嫌いだったのに、どうしてペインターとして活動するようになったんですか?
LITTLE YORKEさん:新潟のタワーレコードで働いていた時期がありました。個人的にDJをしていたから、クラブミュージックの担当で。あるとき、渋谷店でクラブミュージックのバイヤーを探しているって話が舞い込んできたから、チャレンジしてみたんです。でもはじめは楽しかったけれど段々と数字のプレッシャーに追い込まれて、メンタルが弱くなってきたから新潟に帰ってきました。それで、これからどうしようかと考えていたときに、何かの本でワシリー・カンディンスキーの作品に出会ったんです。それがペインターの道へ進み始めたキッカケかな。
――なるほど。カンディンスキーに影響されたってのは頷けますね。
LITTLE YORKEさん:カンディンスキーは図形や線をベースに幾何学模様みたいな絵を描いた画家なんですけど、風景や人物の絵しか知らなかった私は、抽象的な絵を観たのはそれが初めてで。「コンポジション」という作品から「絵ってこんな表現もあるんだ」と衝撃を受けました。それからはノートにはじまり、スケッチブック、キャンバスと、どんどんと大きな作品を描くようになって、2014年にペインター「LITTLE YORKE」としてスタートしたんです。

丸、三角、四角、ドット、ライン。LITTLE YORKEの作品を知る。
――それではLITTLE YORKEさんの作品について教えてください。
LITTLE YORKEさん:丸、三角、四角、ドット、ラインをいつも違うように組み合わせて、幾何学模様のような作品を描いています。色や形のバランスを考えながら進めているから、描くというよりもデザインに近いかもしれません。

――作品のコンセプトやタイトルは、どうやって決めているんですか?
LITTLE YORKEさん:平和とか、愛とかコンセプトを決めて描いている人もいるけれど、私はそうすると描けないからコンセプトは決めていません。だからタイトルも後付け。どんよりした雰囲気よりも、ちょっとポップな方が好きだから「おじいちゃんの遊び」「オレンジの皮」とか、降りてきたインスピレーションでそのまま命名しています。
――ユニークなタイトルですね。いくつか作品を観させていただいたなかで、スケートボードにペイントした作品が目に留まりました。
LITTLE YORKEさん:ありがとうございます。キャンバスに描いていたときに、あるカメラマンから「スケートボードに描いたら面白いんじゃない?」と、意見をもらったんです。正直、絵はキャンバスに描くものという固定概念があったから新鮮で。なんでもキャンバスにしてみようと思うキッカケになりました。今では木廃材やiPhoneケース、陶器、鉢植え、外壁など、なんでもチャレンジしたり、コラボしたりしています。

今までの活動と、これからの展望を聞いてみた。
――今まではどのような活動をされてきたか教えてください。
LITTLE YORKEさん:初めての個展は、新潟市でスケボーアートをメインとして開催しました。その後は、恵比寿での個展、渋谷で開催されたイベント「A LUCKY CAT EXHIBITION」への参加、アーティストの聖地である横浜の「Grasroots Yokohama」で個展をしたこともありました。「SHS TOYANO」では期間限定でアトリエ兼販売ブースの展開をしたり「MINI」の新車モデルイベントではサイドミラーのライブペイントもしました。あと、イタリアの音楽レーベル「OPILEC MUSIC」へ、CDジャケットのデザイン提供もしています。
――おおー、 多岐に渡る活躍ですね。ちなみに、現在進行中のプロジェクトはありますか?
LITTLE YORKEさん:新潟市南区にある「アークオアシスデザイン新潟店」で、新潟のアーティストを応援する一環としてスタートしたプロジェクトに参加させてもらっていて、店内に特設販売ブースを展開しています。ここではスケートボードやキャンバスに描いた作品の他にも、Tシャツや缶バッチ、コルクコースター、ハンガーなど、いろんなオリジナルデザイングッズを販売しています。今までの集大成って感じです。

――それでは最後に、これからチャレンジしてみたいことを教えてください。
LITTLE YORKEさん:今は新型コロナウイルスの感染拡大、黒人殺害抗議デモなどで、とても行ける状態ではないけれど、アートの最先端の地・アメリカには必ず行きたいです。そこでいろいろ経験して、LITTLE YORKEの作品をパワーアップさせてきたいと思っています。

「LITTLE YORKE」のアートたち。ちょっとだけご紹介。


LITTLE YORKE
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